『ミルトンダフ 2009 キングスバリーゴールド』~バランタインの中核をなす原酒の実力がわかる
キングスバリー社は、スコットランド・アバディーンにて設立、1989年よりシングルモルトのボトリングを開始し、現在ではエジンバラを本拠に専門的な蒸留酒を取り扱っているインディペンデント・ボトラーです。通称ゴールドと呼ばれる「カスクストレングス」シリーズは、特に際立った個性を持った樽のみが厳選され樽出しにてボトリングされる渾身の作品達で、同社の最高品質を誇ります。
意欲的なリリースが続くキングスバリー社より、約2年ぶりの発売となるミルトンダフが登場です。
前回は1998年ビンテージで、こちらも大変ご好評をいただきました。ご存じバランタインの原酒としてグレンバーギーとともに、その味わいの中核をなすと言われるスペイサイド地区の人気蒸留所です。
200年近い歴史を持っていますが、近代ではブレンデッド原酒としての役割もあり、オフィシャルボトルよりもゴードン&マクファイル社のたっぷりとしたシェリー樽モルトが、よりイメージしやすかった感があります。
最近はオフィシャルボトルにも力を入れ、再脚光を浴びていますが、キングスバリー ゴールドレンジでのボトリングとなれば、また少し違うニュアンスを楽しんでいただけると思います。
今回はバレル熟成で、200本を切る仕上がりとなりました。
程よい12年熟成で、この蒸留所の持つ味わいを再確認できることでしょう。バニラ、はちみつ、リンゴやバニラなど、しっかりとしたボディにさわやかな風味が、きれいにまとまった良質ボトルです。
スペイサイド地区の手頃な人気蒸留所モルトは、しっかりストックとして置いておきたいものです。生産数わずか、ぜひお見逃しなく!
<テイスティングノート>明るいゴールドに、つい手を伸ばしてみたくなる。
アーモンド、バタービスケット、シトラス、バニラ、オークが香り、口にするとバニラがより強まり、
ジンジャー、スウィートオレンジ、ファッジ、はちみつが現れる。
フィニッシュではおだやかなフローラルの風味にリンゴや麦芽が感じられる。