1983年3月24日ベンロマック蒸留所はその長い歴史に一旦終止符を打ちました。そこから15年後、蒸留所創立100周年の年にゴードン＆マクファイル社によって再開され現在に至るのですが、同社が再開してからのベンロマックは、ヨーロッパのみならず世界中が混乱していた戦前、戦後あたりの時代のレシピを参考に現代に蘇らせた新たな
味わいとなっています。

そして今回ご紹介の商品は蒸留所一時閉鎖前の、1970～80年代、ウイスキー業界苦難の時代に作られていた、稀少な長期熟成原酒を瓶詰めしたボトルです。当時のセラーマスターが大切に育ててきた樽から、現存している貴重な原酒を特別に瓶詰めいたしました。
アメリカンホグスヘッドとシェリー樽両方で40年もの時を静かに刻んできたものを、掛け合わせることで創造を超える深みと複雑性、バランスが生みだされました。今生産されているベンロマックとはまた違った、いにしえの味わい、時を超えたベンロマックの息吹を味わうことができる特別な1本です。年末に相応しいボトル、ぜひお手元に。

＜テイスティングノート＞ 甘いシェリー、リンゴ、バタースコッチのアロマが、円熟したスパイス、ほのかなホワイトチョコへ。 香り高い洋ナシと熟したバナナの甘さにピリッとしたジンジャーが加わる。 滑らかな口当たりで粗びきブラックペッパー、タバコ、オレンジ、柔らかいオークのタンニンへと変化し、わずかに感じるリコリスと混ざりあいながら、長くてドライ、スパイシーなフィニッシュへと続く。