<2011年生育レポート>
乾燥した暑い夏といって思い出せるのは、私の記憶が確かなら、1976年だと思います。

 

この年には、9月27日に収穫をしました。5ヶ月間一滴の雨も降らなかったのに、収穫当日にはひどいストームが来て、2時間で160ミリも雨が降ったことを、よく覚えています。変ですよね?

 

当時の収穫は、10月5日~10日の間に始めるのが、普通でした。

 

でも今年は、1976年の記録を塗り替えそうです。今のところ、9月5日前後が適当ではないかと予測しています。

 

これは、1950年代、60年代、70年代と比べて1ヶ月も早いです。いったい、どうしてしまったんだろうと思います。

 

この地域としては冬は寒く、対して4月には数日間25℃~28℃という、いくぶん暑すぎるともいえる日がありました。

 

5月には落ち着き温度が下がりましたが、カレンダーを見ていると、気候の変わり方が3週間ほど前倒しになっているのを感じます。

 

そして絶対に、普通に戻らないのです。 唯一の、でも大きな問題としては、二日間だけ25ミリずつ降りましたが、それを除いて3月から雨がほとんど降っていないことです。

 

畑はカラカラで、ブドウの実を重くするにはいまこそ雨が必要なときなのですが・・・さて、どうなることやら。

 

自分としては、自分はもとより私の親も、またコニャック地方内の誰も体験したことがないようなこの状況に、不安もありますし落胆もしていますが、でもブドウそのものの生育状態をみますと、とても健康ですし、大きくまた美しく育っていて、あとは雨が降ることと、暑すぎない普通の夏が来ることを、祈るばかりです。

 

天候でしたが、ブドウ畑にとってはまたとない好天気でした。人間にとって歓迎できないことでも、ブドウの花が実になるのには必要不可欠な条件もあるのです。幸い今年の夏はブドウの品質を高めるのに適した天候が続きました。

 

目下ブドウの生育具合に注意を払い、病菌に犯されぬよう気をつけています。今年も収穫時期は10月ですが、去年より若干早めの10月2日に行おうと計画しているところです。