ポールジローさんの凄い所1 生産者元詰めコニャック(原料の収穫から瓶詰めまですべて1人)

 

皆さんが普通、一般的な酒屋さんやスーパーで売られているブランデーのほとんどは、大手メーカーの商品です。
どう違うかというのは、大手メーカーのやり方は、契約している複数の農家から葡萄を買い上げて、蒸留や熟成をメーカーが引き受けるというやり方です。

 

この場合のメリットは、やはり多くの農家さんのブドウを集められるので、一定量を揃えられるし、年によってばらつきが少ないです。
そして蒸留や熟成に専念することで、より多くのお酒をバランス良く造れるでしょう。そして割合 お安く提供できるでしょう。

 

一方のデメリットというと、葡萄はいろいろな農家さんのブドウが集められるので、良いブドウも悪いブドウも、ある程度混ざってしまいます。
そして、メーカー(ブランド)の冠をつけますと、世界中に輸出した時には、毎年 同じ味を求められますので、均一化するために多くの樽をブレンドして均一化しますし、食料用のカラメルを入れて着色したり、味わいを一定にしたりします。

 

皆さんがよく知っている、濃い茶色のような色合い・・・は、自然な色合いではないのですね。

◆ポールジローさんの場合は手造りコニャック

 

ポールジローさんは、家族経営の生産者。原料の収穫から瓶詰めを全て管理しています。
つまり、半分は農家さんなんですね。ブドウを栽培されているのです。(こういうブドウ栽培から蒸留、熟成まですべて自分でやる事を大手メーカーと区分けして「プロプリエテール(生産者元詰めコニャック)と呼ばれます。

 

ポールジローさんは、自分でブドウを育てて、それを自分で蒸留して熟成、そして瓶詰めまでお一人でされているのです。

 

大手メーカーは、すべてコンピューター管理で蒸留などしていますが、ポールジロー氏は昔ながらの方法で、勘と経験で蒸留を行っている。
非常に神経を使う作業で、寝ずに行う場合もある。との事です。

 

そんな手造りコニャックだから、もちろん、1年2年のロットが変われば味わいも少し変わりますが、みんなそれを分かっているので、あえて着色したりカラメルをいれて均一化したりはしません。

 

美味しい部分のみを、最良の方法で熟成されて、まさに手造りの美味しいコニャックが出来上がるのです。

 

だから、とても繊細な、ブドウの味わいが残るコニャックが出来上がるのです。それは、今まで大手メーカーのブランデーを飲んでいた人には衝撃的!なくらい全く異なる味わいなんですね。

ポールジローさんの畑は、最上級のグランシャンパーニュ地区

プロプリエテールの生産者も数少ないですがいらっしゃるのですが、ポールジローさんがすごいのは、ポールジローさんが所有している畑の位置なんです。

 

ワインと同じように、フランスではAOCといって、日当たりや土壌の成分などから、畑のある場所で格付けされています。

 

<コニャック地区の7区画>
◆グランシャンパーニュ・・・ボディーがしっかりしていて香りが繊細。熟成に時間が要する。
◆プティットシャンパーニュ・・・グランドシャンパーニュをこぶりにした感じ。熟成やや早め。
◆ポルドリ・・厚みのあるボディー。豊かなコク。熟成ははやい。
◆ファン・ボア・・ライトスタイルでフレッシュさに富む。しかし一部の畑で産した葡萄で造られたブランデーは、グランドシャンパーニュ同様熟成に時間がかかり、繊細な香りを放つ。
◆ポン・ポア・・ボディーが薄い。香りの立ちが悪く、高級酒には向かない。
◆ポア ゾルディネール・・フィーヌ・シャンパーニュ規格外などの低価格帯のコニャックにベースとして使用されることが多い。雑味があり香りの立ちが悪い

 

さて、この7区画の一番良いとされるのが、一番上のグランシャンパーニュ地区です。

 

そうです。ポールジローさんがすごいのは・・・所有している畑のすべてが グランシャンパーニュ地区にあるんですね~。

 

ワインのシャブリのように、とても石灰質が多い地区で、畑の土も茶色・・ではなくて、白い石がごろごろしている・・そんな畑からは、とてもミネラルが含まれて最良のブドウがとれるのです。

 

ブドウの品種はユニ・ブラン。白ワインでも使われる品種です。しかし土壌が違えばぶどうの味も異なるのがブドウ栽培の面白いところ。
一般的にワインで飲むと、ユニブランシュは水っぽい感じのごくごく飲むタイプの味わいが多いですが、グランシャンパーニュ地区で収穫されるユニブランは、特有の石灰質土壌のミネラルをブドウが吸い上げるので、酸味が少し多めのキリリとした味わいになるのです。

 

でも、キリリとしたのが、蒸留酒にすればダレなくて良いのです。

ポールジロージュースは、コニャック最高のブドウの味わい

 

さて、そこまで説明して・・・グランシャンパーニュ地区のブドウってすごいんだな~。一度味わってみたいな~と思いませんでした?

 

そうです。それを味わえるのが、コニャックにせずにジュースにした「ポールジロー・スパークリング・グレープジュース」なんですね。

 

実は、これはもともとは非売品で、ポールジローさんとご家族のために、「自分の家用」として創っていたジュースだったんです。

 

ところが、ポールジローさんのコニャックを日本に輸入している「ジャパンインポートシステム」の田中さんが、暑い日にジローさんのお宅へ訪問した時に、ウェルカムドリンクとしてだされたのが発端でした。

 

美味しさに感激した田中社長は、ポールジローさんに、コニャックとは別に、ジュースも製品化してください!!とお願いして2005年頃に製品化されるようになりました。

 

最初はポールジローさんを知る、コニャックファンや、BARでのご利用が多かったのですが、タレントさんなどクチコミ、SNSの広がりから、普段お酒を飲まない方にも広がり大反響をえることになりました。

 

一度飲むと 「美味しい!」と感激するポールジロージュース。是非一度味わってみてください。

 

でも私がながながと説明したのは、ポールジローさんの「コニャック」も、とんでもなく素晴らしいですよ!一度飲んでみてくださいということです。
「初心者の方はポールジロートラディション」で充分です。